下準備
今回はちょっと専門的なネタになります
ロストワックスキャスティング(Lost Wax Casting)とは…
蝋(Wax)で原型を作りそれを石膏で固めた後、
焼成して蝋を溶かし出し(Lost)出来た空洞に、
熔けた金属を流し込む(Casting)鋳造技法のことです。
これだけではわかりにくいので、
鋳造工程をざっと説明するとこんな感じ↓(画像クリックで拡大)
日本宝飾クラフト学院著「ワックスモデリングの基本」より
今日から2日間は新造形創造館で鋳造の作業。
1日目はひたすら下準備、
仕上がっている原型に湯道をつけ、
ツリー(樹)状に組み立ててから石膏で固めます。
鋳造工程はそれなりに気を使いますが、
マニュアル通りに進めると基本的に失敗はありません。
でも丁寧な下準備が仕上がりを左右するのは言うまでもなし
中でも「湯道つけ」と「ツリー組み立て」には気を使います。
理想のツリーを図にしたもの↓
(画像クリックで拡大)
ジュエリー用の精密鋳造では、
遠心力などで勢いをつけて流し込むので、
他の鋳造方法よりは単純な構造の湯道になります。
でも基本は同じで湯(熔けた金属)の流れを想像し、
太くて短い湯道をつけるのがコツ。
あと仕上げの手間がなるべく楽になるようにと、
つける位置を考えなければいけません。
ソフトワックス(黄色の部分)とハードワックス(紫色の土台)は、
溶ける温度が違うのでバイパスを作ってあげます。
型枠に入ることを確認。
石膏を節約したいので、
低い方の枠を使いたいのですが、
安全策をとって高い方にします。
ガス抜きの細い線をつけたら完成
重さを測って必要な地金量を計算します。
このロウ原型が明日にはもう銀地金に変身。
楽しみですね♪
既製品の大量生産されるものと違い、
一つ一つ異なる形のものを
一本のツリーに組み立てるのは
思いの外難しい作業。
そんな訳でこんな原型は非常に苦労します
自分で作っといてなんですが…(笑)
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